【法律事務所LEACT】移籍1年のふりかえり

1.今日のテーマ

私は昨年、それまで所属していたインハウスハブ東京法律事務所を退所し、法律事務所LEACTに参画しました。2022年の10月1日のことです。

インハウスハブ代表の足立さんが素敵なnoteを書いて気持ちよく送り出してくれたのも嬉しかったし、移籍に際して伊藤先生が寄せてくれたこのコメントも忘れられません。

せっかくの機会なので、移籍後のこの1年間を振り返ってみようと思います。

ポエム回になるとは思いますが、読者の皆さんのキャリアなどに何らかのきっかけを与えられるようなものになれれば嬉しいです。

2.移籍の理由

今でもキャリアの話になると「何でインハウスハブからLEACTに移籍したんですか」と聞いていただくので、この点についてまず最初にお話しします。

(1)両事務所の違い

両事務所は組織内弁護士、いわゆるインハウスの弁護士を積極的に採用して事務所の規模を拡大している点で共通しています。他方で、事務所の志向としては正反対とも言えます。

インハウスハブ東京法律事務所はインハウスの弁護士に対してプラットフォームを提供することを志向しています。相場と比較すればかなり低額な負担の元で、副業形式で弁護士活動を行うための基盤を提供してくれます。もっとも、あくまで事務所はプラットフォームであるとの前提は崩しません。仕事は個人単位で受けるのが原則です*1

法律事務所LEACTはインハウスの弁護士の参画を歓迎しており支援してくれますが(何せ固定費が0円です)、クライアントに対して事務所の存在がより前に出てきます。事務所案件がそれなりの数あり、参画する弁護士は事務所案件を受けることも受けないことも可能です。また、個人事件の受任も当然可能です(上納金もありません)。

(2)改めて移籍の理由

理由は、

  1. 「よりジェネラルに仕事をしている人たちと組んで、自分の専門性でビジネスを発展させたかった」というそろばん寄りの理由
  2. 「事務所のキャラクターを自分たちで作り、それを大きくしていくという組織運営に携わりたかった」というロマン寄りの理由

の2つに集約されます。

ア そろばん

インハウスハブ東京法律事務所は、初期メンバーの弁護士の多くがLINE株式会社のセキュリティ室出身でした。そう、皆同じ会社・同じ部署の同僚だったのです。当然得意分野の類似性も高く、皆それなりのレベルで情報法ができます。

こういう環境では「この新しい論点ってどう思います?」みたいな相談・議論がよく起こり、それはそれで非常に刺激的かつ貴重なものでした。他方で、得意分野が被っているので、仕事の広がりという意味では難しい部分がありました。

イ ロマン

インハウスハブという事務所は、足立さんが立ち上げた時点でコンセプトがほぼ完成されています。事務所はプラットフォームであり、それ以上でも以下でもない。とてもわかりやすいし、割り切った洗練された考え方です。

他方で、インハウスハブで数年仕事をやってきて自分の仕事がそれなりに軌道に乗ってくると、自分で組織を作り大きくしていくという行為にとても興味が湧いてきました。インハウスハブ東京法律事務所のコンセプト的な完成度を踏まえると、これを実現するには外に出る必要がありました。

(3)まとめ

上記2つの課題を踏まえ、これらに対してその時点でほぼベストと考えられる答えを提示してくれ「一緒にやろう」と声をかけてくれた酒井先生の法律事務所LEACTに参画することになりました。

3.移籍後のふりかえり

せっかく「そろばん」と「ロマン」という軸を出したので、これに沿ってふりかえってみます。

(1)そろばん

個人の仕事としてはとても順調です。

  • 生活の基盤という意味で、インハウスとしての会社員収入が別途ある
  • 事務所としての売上目標みたいなものがある訳ではない
  • 食わせていかなければいけないアソシエイトがいる訳でもない

という状況なので、本当にわがままに

  • 受けたい分野の仕事だけを
  • 実際自分で使っている好きなプロダクトを提供している会社、尊敬できる好きな担当者がいる会社だけから
  • その月に受けたいと思う分量だけ

受けているのですが、それでもかなり順調だと思います。

(2)ロマン

現在、法律事務所LEACTの所属弁護士は8名です。会社への副業申請等の関係で表に名前を出さないメンバーもいますが、着実に大きくなっています。

メンバーの中には私がお声がけして参画いただいた人も複数おり、「こういう人と一緒に事務所を大きくしていきたい」という理想をまさに実現できています。

意図的に拡大を志向している訳ではないので、タイミングによっては顧問契約の受付を止めたりと不器用な動き方もしていますが、目の前のクライアント・隣にいる同僚を大切にしながら、結果として組織が拡大しているのはとても良いことだなと思っています。

以下の事務所概要のところで弊所の特徴を説明しているのですが、どれもお題目というよりは「日々実際にそうしている、業務がそう動いている」みたいな内容なのでぜひご覧ください。

www.leact.law

---------------

以上です。

10月に入るともう年末まですぐですよね。皆大好き、アドベントカレンダーの季節もすぐそこです。

*1:もちろん個人で受任した事件を、事務所内の他の弁護士と共同で対応することは当時からありました。