4月に入ってから本を書く機会をいただき、無事に7/3に発売することになりました。(amazon掲載初日に発見していただいた時には流石にビビりました)*1
おや。このメンバーは!(7/2発売)
— kaneko (@kanegoonta) May 26, 2020
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足立 昌聰 (著, 編集), 寺島 有紀 (著), 世古 修平 (著), 笹川 豪介 (著), 関原 秀行 (著)『Q&Aでわかる テレワークの労務・法務・情報セキュリティ』 https://t.co/hATli4aVAq
私自身共著で本を書くこと自体は初めてでは無いのですが、今回はしっかりと1章分を担当させていただいたこともあり、色々と思ったこと感じたことがあったので、その辺りを記事にしてみようと思います。
1.経緯
私は現在インハウスハブ東京法律事務所に所属しているのですが、4月の頭に代表の足立先生が企画を持ってきてくれ有志で執筆することになりました。今回はテレワークに対する世間的なニーズも踏まえてとにかく「スピード重視」という感じで、走り出しから初稿提出までの期限が2週間とかなりのハイペース進行でした。
2.執筆
(1)役割分担
- 労務
- 法務
- 情報セキュリティ
の3章構成で、私は情報セキュリティの章を主として担当することになりました。こういう時に「セキュリティよろしく」と信用して投げてもらえるのは嬉しいことだなと思いますね。
(2)執筆方法
- 1日目:リサーチ
- 2日目:スケルトン(大項目、中項目レベル)完成
- 3日目:ファーストドラフト完成
- 4-14日目:書き足し、レビュー反映
という感じで、1-3日目は完全にコンサル時代の資料作成方法に乗っかって書きました。4日目以降は普段ブログを書いている感覚に近かった気がします。
以前友人から「ブログを上手く続ける方法」について質問を受けたことがあるのですが、その答えと執筆を素早く仕上げる方法って共通している気がしていて、雑にファーストドラフトをちゃちゃっと書いてしまうことかなと思いますね。雑なドラフトが目の前にあれば、嫌でも修正点が思い浮かんできて筆が進みます。
3.感想
(1)想定読者の難しさ
今回は「現在リモートワークを全く導入していない、中小企業の総務担当者」をメインの想定読者として設定しました。そして「そのような想定読者にはこういう読み方、学び方をしてほしい」という観点から書いてみました。
書いている途中では
- 本来の想定読者層には理解が難しいのではないか
- 知識のある方々から見たら、つまらないor厳密さに欠けるのではないか
等々、色々と気を使いました。最終的には
- このテーマで書くならここまでは理解してもらいたい
- 読者を次の1冊に繋げるためにも、ここは自分の考えを抑えて文献を引用したい
みたいなことをあれこれ考えながら最終稿になりました。今回どの程度意図が実現できているかわかりませんが、ご意見・ご感想いただけるととても嬉しく思います。
(2)編集者さんとのコミュニケーション
まず前提として今回の編集者の方はとても優秀で、土日もリアクションをくれて神のような人だなと思っています。一方で、私は普段ブログで文章を書いていることもあり「他人と一緒に文章を作り上げる」ということに慣れておらず、編集者さんとの距離感やコミュニケーションを掴むのにちょっと苦労しました。
著者に一番近い読者が編集者さんだと思うので、次また本を書く機会があれば色々挑戦してみたいです。
(3)ブログとの違い
ブログとの違いは色々感じたのですが、「検討経緯をどこまで本に残すか」という部分について書いてみます。
ブログの場合、私は普段「ネット上でゆるく繋がっているみなさん」みたいなふわっとしたものに向けて記事を書いています。ブログでは私のキャラクターや考えたこと、結論に至るまでの悩みなんかも含めてコンテンツだと思っていて、その辺りも記述するようにしています。
他方、出版する書籍の場合には「何らかの目的を持って当該書籍を購入した読者」が明確にいるわけで、お前のエッセイが読みたい訳ではないよみたいな部分は意識しました。ただ情報伝達に重点が寄り過ぎると内容も淡白になるし、その辺結構難しかったです。
(4)技術的な正確性
これは怖かったですね。
人間誰しも興味のある分野には偏りがあると思っていて、1冊の本を書く場合でも「非常に強い思い入れがあるところ」と「それなりに強い思い入れがあるところ」みたいな濃淡はあるんだろうと思います。
そんな中で、流し気味に記載してしまったり技術的に不正確なことを書いたりすると本全体の信頼性を損ないかねないと思い不安になりました。最終的には友人のエンジニア達にレビューをお願いすることで解決に至りました、友達って大事ですね。
4.まとめ
今回1冊(正しくは1章)の本を書いてみて、継続的に本を出版されている先生方のすごさを改めて感じました。本をかくこと自体はとても面白かったので、また機会があればやってみたいなと思います。
*1:@kanegoontaさんのツイート時点では7/2発売予定でしたが、最終的に7/3発売になりました