【この記事は法務系 Advent Calendar 2018における6日目のエントリーです】
1.今回のテーマ
私は昨年から、友人たちと3ヶ月に1回ペースで勉強会を企画しているのですが、各回登録ベースで100~200人くらいの規模感を維持できるようになってきました。
今回は、私がその勉強会に運営として関わる中で得た学びを共有したいと思います。
2.そもそもお前誰だっけ
セキュリティ・プライバシー領域を軸に仕事をしている、弁護士のせこと言います。経歴を時系列で振り返ると、ざっくりこんな感じです。
(1)ずっと前
- 合格65期
- 1年放浪後に修習66期
(2)けっこう前
- 新卒でコンサル入社
- 副業で個人事務所開設(二弁)
(3)ちょっと前
- 1年弱の育休を取得(〜2019/06)
3.勉強会って何なの
(1)勉強会の建て付け
私が今運営に携わっている勉強会は、JAWS-UGという勉強会のコミュニティに属しています。
・JAWS-UG(=Japan AWS User Group)
・AWS (=Amazon Web Services)
ということで、クラウドサービスの提供企業であるAWSユーザーの自主的な勉強会という建て付けです。
JAWS-UGは取り扱うテーマごとに支部(初心者支部、AI支部、IoT専門支部、、)を持っていて、私は先端的なテック企業をビジネス・テクノロジーの両面から扱うX-Tech JAWSという支部をやっています。参加者はだいたい、エンジニア:非エンジニア=7:3くらいのイメージです。
JAWS-UGはAWSのコミュニティマーケティング施策の一環ではあるのですが、AWSが多くの企業にとってあまりに当然のインフラになっていることから、営業色や党派性を特段意識することなく自由に活動できています。*1
(2)勉強会の進め方
勉強会では普段、20分枠を5つ程度もうけて色々な○○Techな企業(Fin,Ad,Ed...)の方々に自社のビジネスやテクノロジーについてお話しいただいています。今回は法務系 Advent CalendarなのでLegal Techの周辺領域に焦点を絞ると、今まで以下の方々に登壇いただきました。法クラの皆さんもご存知の会社沢山ありますよね?
- 第1回 弁護士ドットコム株式会社
- 第2回 株式会社 SmartHR
- 第4回 GVA TECH株式会社
- 第5回 株式会社one visa
- 第6回(予定) 株式会社LegalForce
4.それ何が楽しいの
(1)イケてる企業/人に突撃できる
勉強会の登壇企業選定に際しては「AWSを利用していること」という縛りはあるのですが、「AWS万歳」的なことをやる必要は全然なくて、私たち運営メンバーが話を聞きたいと思った企業に、知的好奇心のままに登壇依頼をかけています。
例えば、上記Legal Tech企業について当時のことを振り返ってみると…
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第1回 弁護士ドットコム株式会社
当時から馴染みのある会社ではあったのですが、昔読んだ「スマートコントラクト本格入門」という本で、
ブロックチェーン技術を用いることで、所有権移転などの契約の自動執行および、契約締結業務の効率化を目的とする「スマートコントラクト・システム」の開発を…
との記載があり、この辺の話に興味がわきお声がけしました。当日は CTOの市橋さんに登壇いただきました。
第2回 株式会社 SmartHR
FB広告を通して会社の存在は認識していたところ、Pythonのカンファレンス(だったかな…)で同社のエンジニアと知り合い、この方がとても魅力的だったこともあり登壇をお願いしました。
この方は後に「エンジニア兼人事」というとても面白いキャリアを歩んでいて、最近ではtwitter等でもSmartHRの採用施策がバズってるのをよく見ます。
SmartHR社に言ってエンジニア兼人事の人に大量に質問してきましたが、素晴らしくしっかりしている。
— tomomoto (@tomomoto_LV3) 2018年11月29日
エンジニアが事業にコミットして成果を出すことがきちんと評価される会社になっていて、それを達成するために採用から人事制度、エンジニア以外との関係が絶え間なく最適化され続けている印象でした。
第4回 GVA TECH株式会社
法クラ的にはtwitterだと山本先生が有名ですが、この回ではCTOの本田さんに登壇いただき、立ち上げ後のリソース<仕事量という状況の中で組織がどのような工夫をしているのか聞きました。
最近は本田さんのFBでことあるごとに「〜が入社しました」という投稿をみるので、採用も非常に好調な模様。
第5回 株式会社one visa
CEOがハーフの方で、外国人のビザ申請手続きをサポートする会社です。ご自身が日本のお役所書類手続で理不尽な苦労をした経験から、外国人のビザ手続きをサポートしたいというまさにスタートアップ的な理念の会社でした。
また「高いスキルが要求されるはずの職種において、外国人がもっとも苦労するのが日本語」というこれまた理不尽な状況を踏まえ、海外での日本語教育+外国人人材採用マッチングも手掛けています。
理念やビジョンが人を惹きつけるってこういうことだよな…と感じた回でした。
第6回(予定) 株式会社LegalForce
少し前に第2回の契約書タイムバトルでも話題になったLegal Forceさんに、次回の第6回で登壇いただく予定です。
個人的にはまつもとゆきひろさんを技術顧問に引き入れたとのニュースを踏まえて、何を企んでいるのか聞きたいなと思っています。
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(2)普段の仕事とは異なる視点でビジネスを理解することができる
コンサルや弁護士をやっていると、クライアントが大企業の経営層・管理層になりがちで、どうしても社内/業界政治や金回りの話が多くなります(勿論これはこれで非常に大切なことです)。
勉強会ではエンジニアやスタートアップCEOといった登壇者の視点を通じて企業のビジネスを理解する事で、コンサル業・弁護士業における自分の判断軸の現実味・新鮮さを一定程度担保することができている…気がしています。また、勉強会後の打ち上げ等オフラインの交流では「エンジニアの〇〇さんが△△社に移ったから、今後△△社は多分□□」みたいな面白い話もたまに入ってきます。
(3)自己研鑽のモチベーションになる
X-Tech JAWSは6人の運営メンバーで回しているのですが、
- こういう面白い企業がある
- この技術領域が今後面白そうだ
- こういうカンファレンスに行ってきた
というディスカッションを継続的にしています。他のメンバーがそれぞれ特徴を持った優秀なエンジニアであり、自分も議論のレベルを保ちたいと必死になって技術やトレンドのキャッチアップをしています。
5.学びって何
結局、情報は発信する所に集まってくるということです。
私も経験がありますが、偉い先生の講演会に参加して名刺交換の列に並ぶ事ほど虚しいものはないですよね。
勉強会に登壇いただくためにオファーを投げたり、司会をやった上で打ち上げに参加すると、面白い話をする人たちとどんどん繋がることができます。他の勉強会で「XーTech JAWSの司会の方ですよね」と声をかけて貰えたりもします。
また、繋がった人の中からコンサル/法律家としての自分に声をかけてくれる人も出てきました。人脈というと一気に胡散臭くなるのですが…何というか、私の中で「何かあった時にぱっと顔が思い浮かぶ人」の種類が増えてきました。私も彼/彼女らにとってそのような存在であることができるのであれば、それはとても嬉しいことだなと思います。
6.提案
というわけで、
というのが私からの提案です。勉強会の運営も面白いですよ。
★★★
以上になります。
次はhitorihoumuさんです、よろしくお願いします。